高校を卒業してから飲食業界に飛び込み16年間。ざっくり計算してものべ30万人ものお客様を接客。それはもう色んなお客様がいらっしゃいました。
接客・サービス業は毎日がマニュアル外、想定外の出来事満載なわけです。思い出したくもないことこから、これぞサービス業の醍醐味!というものまで、佐々木の今までの体験談を大放出していこうというこの企画。
どんな出来事があって、佐々木がどう対応したのか、みなさんが私の立場ならどう対応するかなどケーススタディとして一緒に考えながらご覧下さい(^^)
これらの事例が今の私の判断基準を養っているのです。
他人の失敗は蜜の味。存分に味わって下さい♪でも、たまにある美談に「ちっ、つまんねーな」とならないで下さいね(笑)
File.001 別な彼女に「お久しぶりですね」事件
さて、記念すべき第一回のケーススタディは、金蔵がオープンして2回目のページェントでの出来事。
みなさん、また行きたくなるお店ってどんなお店ですか?料理が美味しかったり、雰囲気が良かったりはもちろんですが、自分が特別な存在だと思えるお店って嬉しくないですか?
その頃、まだまだ繁盛店とは言えない時期でしたので、私も目の前にいるお客様の心を掴むのに必死でした。
常に意識していたのがリピーターのお客様へのお声がけです。お客様からすると、お店のスタッフが、しかも店長が自分を覚えていてくれるって何だか嬉しいですよね(^^)
この日も窓際を予約して光のページェントと焼肉を堪能するカップルで賑わってました。すると4卓に昨年も予約して来てくれた男性を発見!
すかさず「お久しぶりですね!昨年のページェントも来て下さってましたよね♪今年もありがとうございます!」と意気揚々とご挨拶。
すると、お食事をしている手がピタッと止まって何とも不穏な空気に。しかも、彼女がサバンナに生息する豹のような鋭い目に…。

男性は野うさぎちゃんのようにキョトンとして次第に怯えた表情に。「狩られる」と思ったのでしょう。

そう、何を隠そう、男性は確かに2回目のご利用でしたが、彼女はもう別れており今年は新しく付き合っている彼女と「金蔵は初めて」のご利用。
彼氏も良いお店を見つけたから行ってみようと「初めて」来た設定でした。
一年振りで、まさか私が覚えてるなんて夢にも思わなかったのでしょう。
その場はごにょごにょテキトーに誤魔化して退散。私も狩られるかと思いました(汗)
その後、彼氏さんがトイレに行く振りをして入口に来て一服ついでに私に一言。
「確かにオレは昨年も来たんだけど、あのときの彼女とはわかれて別な彼女なんだよね。初めてってことで連れてきてるからあんなこと言われると困るんだよ!」
あー、やっちまったよ。
なんとか彼氏さんが上手くまとめてくれたようで、何事もなくお帰りになりましたが。
カップル(と思しき)のお客様は、両方確実に一緒に来たと認識できるお客様以外は気安く声を掛けない!という新ルールができたのは言うまでもありませんね。